木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

孤独な戦場

嘘の付き合いなど要らない。 傷の付け合いなど要らない。 只の馴れ合いなど要らない。 傷の舐め合いなど要らない。 邂逅が別れの合図だと言うならば、邂逅など要らない。 休息が終幕の号令だと言うならば、休息など要らない。 安心が物語の結末だと言うなら…

サイレン

サイレンが、鳴り響いている。 汚すことに慣れ過ぎた。 汚されることに慣れ過ぎた。 傷付けることに慣れ過ぎた。 傷付けられることに慣れ過ぎた。 騙すことに慣れ過ぎた。 騙されることに慣れ過ぎた。 裏切ることに慣れ過ぎた。 裏切られることに慣れ過ぎた…

似ている

初めて息をした時、世界の味を知った。 初めて恋をした時、世界の色を知った。 初めて夢を見た時、世界の光を知った。 初めて嘘を吐いた時、世界の闇を知った。 世界は苦くて、甘い。 世界は汚くて、美しい。 世界は明るくて、眩しい。 世界は暗くて、優しい…

模倣犯

始まりは、ただの憧れだった。 あの人のようになりたかった。 あの人のように生きたかった。 本当に、ただそれだけだった。 あの人のようにすれば、あの人のようになれる。 あの人のようにすれば、あの人のように生きられる。 あの人のようになれば、笑われ…

鏡の中の最終戦争

嘘吐きは泥棒の始まりだと言っていたのは、何処のどいつだ。 今日も平気な顔をして嘘を垂れ流しているのは、何処のどいつだ。 どうして、自分を捨てて生きるようになってしまったのだ。 どうして、人を傷付けて生きるようになってしまったのだ。 正直者が馬…

造花として

造花として、この世に生まれた。 造花として、この世で生きている。 自らの意志で咲くことは出来ない。 自らの意志で枯れることも出来ない。 自らの意志で散ることは出来ない。 自らの意志で還ることも出来ない。 水も、光も、土も、風も。 この世の美しいも…

教室という名の水槽

気が付いたら、其処に居た。 規則正しく並べられた、机と椅子。 一段高い所からその存在を主張する、教卓と黒板。 木造の空間を支配する、埃とチョークの匂い。 過ぎ行く時間を断ち切ろうと企む、チャイムの音。 水槽の中で飼われている魚のような、息苦しい…

瓦礫の下で

瓦礫の下で、生きている。 薄暗く、窮屈な世界で、生きている。 泥水を啜って、生きている。 地面に這い蹲って、生きている。 あの日からずっと変わらない空の重力に、押し潰されそうだ。 あの日からずっと描いていた夢の残骸に、押し潰されそうだ。 あの日…

運命

散々、傷付けた。 散々、傷付いた。 散々、間違えた。 散々、後悔した。 散々、失った。 散々、迷った。 散々、繰り返した。 散々、遠回りした。 ようやく辿り着いたこの場所で、僕は生きている。 この場所に辿り着いたのは、偶然なのだろうか。 この場所に…

何者

"普通"って何だろう。 "普通"であることが、そんなに偉いことなのだろうか。 "普通"であることが、そんなに正しいことなのだろうか。 "普通"に生きろとあなたは言うが、その"普通"が僕には分からない。 "普通"に生きられない僕は、一体どうすれば良いのだろ…

こだま

はじめに。 この記事を読んでくれているあなた。 この記事を拾い上げてくれたあなた。 僕を見つけてくれたあなた。 僕と出会ってくれたあなた。 今、あなたが此処にいてくれることを嬉しく思います。 今、あなたが其処にいてくれたことを嬉しく思います。 心…

思い出の正体

ろくでもない自分を、生きてきた。 ろくでもない世界で、生きてきた。 ろくでもない毎日だが、幸せな出来事が幾つもある。 ろくでもない人生だが、大切な思い出が幾つもある。 夢中で駆け抜けた少年の日々。 夢を語り明かした青年の日々。 本当に大切で、失…

命に触れて、心は揺れる

一体誰がこんな一日が来ることを想像出来ただろうか。 昨日はいつもと変わらない夜だった。 今日もいつもと変わらない朝が来るものだと思い込んでいた。 "それ"は、突然訪れた。 日常は、非日常になった。 知っている街で、家が壊れた。 知っている街で、人…

唯一無二の贈り物

今日は、父の日だ。 父に感謝の気持ちを伝える日だ。 ここ何年かは、ネクタイやハンカチ、酒などを店で買って来て、それを感謝の印として贈ることが僕の中では恒例となっている。 勿論、今年もそのつもりだった。 しかし、何故か今年は父の日を迎えた途端に…

此処ではない何処かへ

今この瞬間も、それぞれが、それぞれの場所で、それぞれの人生を生きている。 今この瞬間も、知らない誰かが、知らない場所で、知らない人生を生きている。 旅に出るということは、自分の知らない誰かの人生に触れる機会を持つということだ。 出会う筈のなか…

マイノリティーであること

変な奴だと言われることがある。 良く分からない奴だと言われることがある。 それはそうだ。 僕とあなたは違う人間だ。 生物学上は同じ生き物でも、別の生き物だ。 生まれた場所も、育って来た環境も違うのだ。 同じ方が気持ち悪い。 あなたが僕に変な奴だと…

旅路

生きる為だと割り切って、沢山の荷物を捨てて来た。 中には捨てたくないものもあったが、それも捨ててしまった。 随分、身軽になった。 手元にはもう、大事なものしか残っていない。 大事なものの中から、僕はまた何かを捨てなければならない。 またいつか、…

文無しの戯言

金がある人と、金が無い人。 本当に豊かなのはどちらだろう。 金で買えるものと、金で買えないもの。 本当に大事なものはどちらだろう。 確かに金はとても大事だ。 この世は金が全てだ、と言い切ることの出来る人も多くいることだろう。 確かに金があれば有…

自由

自由になりたい。 やりたいことが出来なくて苦しい。 言いたいことが言えなくて苦しい。 行きたい場所に行けなくて苦しい。 会いたい人に会えなくて苦しい。 目に見えない何かに縛られて、いつの間にか何も出来なくなってしまった。 何かに縛られていること…

感覚が足りない

指の動作一つで世界を変えてしまうかもしれないという、感覚が足りない。 簡単に知らない人と繋がることが出来てしまうという、感覚が足りない。 自らの言葉一つで誰かを傷付けてしまうかもしれないという、感覚が足りない。 大切な人と結んだ約束ほど容易く…

夢を見ることは容易いが、夢を見続けることは難しい。 幾つもの夢が、夢のままでその生涯を終えてしまった。 自分で生み出した筈の夢を、自分の手で殺してしまった。 知らず知らずのうちに、夢を見ることさえ恐れるようになってしまった。 夢は叶わないもの…

負け犬の遠吠え

勝ち組か負け組かで言えば、僕は間違いなく負け組だ。 劣等感が嫌いだった。 心の何処かで羨んでいる自分が悲しくて。 優越感が嫌いだった。 心の何処かで喜んでいる自分が醜くて。 比べることにも比べられることにも疲れて、戦うことから逃げ出した。 殺伐…

明日

明日のことは誰にも分からない。 希望に満ち溢れているのか。 はたまた絶望に打ちひしがれているのか。 分からないことが怖い。 ただ待ち続けることが不安だ。 明日が怖い。 明日が不安だ。 それでも、明日は訪れる。 恐怖も、不安も、夜に隠して。 死んでし…

曇天

本日も、空は曇天なり。 陽の光に焼かれるわけでもなく、降り注ぐ雨に濡れるわけでもない。 世界を照らすか濡らすか、その境界線を綱渡りしているような、この空が僕は好きだ。 何より、曇天は誰の足元にも影を作らない。 そういう意味で、曇天というのは優…

音楽

ロックの日に因んで、音楽の話を。 音楽なんてものは、人間が生きていく上では多分必要無い。 尤も、これは音楽だけに限ったことでは無い。 芸術と呼ばれるもの全般に同じことが言えるのではないかと思う。 酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出して、水を飲ん…

本日より

忘れたくないこと。 失いたくないこと。 覚えておきたいこと。 残しておきたいこと。 心の切れ端を少しずつ綴っていこうと思う。 備忘録として、遺書として、又はラブレターとして。