木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

此処ではない何処かへ

今この瞬間も、それぞれが、それぞれの場所で、それぞれの人生を生きている。

今この瞬間も、知らない誰かが、知らない場所で、知らない人生を生きている。

 

 

 

旅に出るということは、自分の知らない誰かの人生に触れる機会を持つということだ。

出会う筈のなかった誰かと、出会うことの出来る運命を作り出すということだ。

 

誰かの生活に触れて、自らの生活を考える。

誰かの感情に触れて、自らの感情を考える。

誰かの人生に触れて、自らの人生を考える。

誰かの幸福に触れて、自らの幸福を考える。

 

そうして、人は心を育んでいく。

 

一人で生きていても、心を育むことは出来ると思う。

 

しかし、世界を拒むことで見える景色があるのと同じように、世界に触れることで見える景色もあるのではないだろうか。

 

自らの作り上げた世界の小ささを思い知ることこそが、自らの作り上げた世界をより深く大きく進化させる為の糧になるのだ。

 

あなたが作り上げた箱庭のような世界など、壊してしまえば良い。

あなたを縛り付ける鳥籠のような世界など、壊してしまえば良い。

 

季節が何度も生まれ変わるように、心は何度でも生まれ変わる。

人間が何度も生まれ変わるように、あなたは何度でも生まれ変わる。

 

あなたの知らない人が、あなたを待っている。

あなたの知らない場所が、あなたを待っている。

あなたの知らない考え方が、あなたを待っている。

あなたの知らない生き方が、あなたを待っている。

 

旅人であれ。

旅人になれ。

 

あなたの知らない、あなたに出会う為に。

 

 

 

 

 

世界の何処かで、あなたと出会えたら。

一人の旅人として、あなたと話がしたい。