木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

サイレン

サイレンが、鳴り響いている。

 

 

 

汚すことに慣れ過ぎた。

汚されることに慣れ過ぎた。

 

傷付けることに慣れ過ぎた。

傷付けられることに慣れ過ぎた。

 

騙すことに慣れ過ぎた。

騙されることに慣れ過ぎた。

 

裏切ることに慣れ過ぎた。

裏切られることに慣れ過ぎた。

 

疑うことに慣れ過ぎた。

疑われることに慣れ過ぎた。

 

哀しませることに慣れ過ぎた。

哀しまれることに慣れ過ぎた。

 

憎むことに慣れ過ぎた。

憎まれることに慣れ過ぎた。

 

愛することに慣れ過ぎた。

愛されることに慣れ過ぎた。

 

 

 

 

 

何もかも、慣れ過ぎた。

何もかも、失い過ぎた。

 

もう、何も感じなくなってしまった。

もう、何も感じられなくなってしまった。

 

 

 

加害者として、償うことも出来ない。

被害者として、恨むことも出来ない。

 

加害者として、これからも罪を重ねていくのだ。

被害者として、これからも理不尽を受け入れていくのだ。

 

加害者として、生きていかなければならない。

被害者として、生きていかなければならない。

 

加害者として、いつか許されることを願いながら。

被害者として、いつか報われることを願いながら。

 

 

 

 

 

耳を塞いでいる。

瞼を閉じている。

何も知らない振りをしている。

抜け殻のように生きている。

 

声は枯れた。

涙も枯れた。

全てを失くした振りをしている。

亡骸のように生きている。

 

人を恐れている。

心を鎖ざしている。

心が錆び付いた振りをしている。

ラクリのように生きている。

 

何一つ満たされないままで。

何一つ報われないままで。

穏やかな日々を過ごしている。

微睡みのような日々を生きている。

 

 

 

いつか灰になるその時まで、過ぎ去る日々に現を抜かし続けている。

いつか灰になるその時まで、過ぎ去る日々に現を抜かし続けていく。

 

僕は、この世で生きる罪と罰から、どれくらい目を逸らして来たのだろう。

僕は、この世で生きる罪と罰から、どれくらい目を逸らしていくのだろう。

 

僕は、明日世界が終わるとしたら、心の底から笑えるのだろうか。

僕は、明日世界が終わるとしても、心の底から笑えるのだろうか。

 

 

 

 

 

別れを告げることに慣れ過ぎた。

別れを告げられることに慣れ過ぎた。

 

見送ることに慣れ過ぎた。

見送られることに慣れ過ぎた。

 

思い出すことに慣れ過ぎた。

思い出されることに慣れ過ぎた。

 

忘れることに慣れ過ぎた。

忘れられることに慣れ過ぎた。

 

 

 

生きることに慣れ過ぎた。

生かされることに慣れ過ぎた。

 

僕はただ、死ぬことだけが怖い。

僕はただ、死んだように生きていくことだけが怖い。

 

僕はただ、何も見えなくなることが怖い。

僕はただ、何も聴こえなくなることが怖い。

僕はただ、何も感じられなくなることが怖い。

僕はただ、何もかもを失ってしまうことが怖い。

 

 

 

"それ"は、確実に近付いている。

 

 

 

 

 

サイレンは、今も鳴り続けている。