木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

クラシック

限られた時間を、どう生きるか。

 

許された空間で、どう生きるか。

 

暴かれた自分を、どう生きるか。

 

造られた世界で、どう生きるか。

 

 

 

育てられた体を、どう生かすか。

 

与えられた心を、どう生かすか。

 

数えられた涙を、どう生かすか。

 

忘れられた轍を、どう生かすか。

 

 

 

 

 

この命で、どう生きるか。

 

この命を、どう生かすか。

 

 

 

その命で、どう生きるか。

 

その命を、どう生かすか。

 

 

 

やさしくなりたい

必死になるってこういうことだったかな。

 

夢中になるってこういうことだったかな。

 

約束をするってこういうことだったかな。

 

明日を待つってこういうことだったかな。

 

 

 

大人になるってどういうことだったかな。

 

幸せになるってどういうことだったかな。

 

共に生きるってどういうことだったかな。

 

今を生きるってどういうことだったかな。

 

 

 

 

 

やさしくありたい。

 

やさしくなりたい。

 

 

 

 

 

やさしくいきたい。

 

やさしくしにたい。

 

 

 

シュプレヒコール

望まない場所に産み落とされて、

 

望まない成長を余儀無くされて、

 

望まない台本に染め上げられて、

 

望まない結末を無理強いされる。

 

 

 

せめて、友達くらいは救わせて下さい。

 

せめて、恋人くらいは愛させて下さい。

 

せめて、理想くらいは描かせて下さい。

 

せめて、幸福くらいは望ませて下さい。

 

 

 

 

 

せめて、今日くらいは泣かせて下さい。

 

 

 

眩暈

守るものなど、何もない。

 

頼るものなど、何もない。

 

望むものなど、何もない。

 

叶うものなど、何もない。

 

誓うものなど、何もない。

 

失うものなど、何もない。

 

遺すものなど、何もない。

 

残るものなど、何もない。

 

 

 

もういっそ、泣いてみようか。

 

もういっそ、笑ってみようか。

 

もういっそ、死んでみようか。

 

もういっそ、生きていようか。

 

 

 

その境界で揺れて、その境界を越えろ。

 

 

 

もういっそ、泣いてやろうか。

 

もういっそ、笑ってやろうか。

 

もういっそ、死んでやろうか。 

 

もういっそ、生きてやろうか。

 

 

 

その境界を捨てて、この境界で生きろ。

 

 

 

 

 

もう少し、生きてみようか。

 

 

 

世界を穿て

癒えることのない傷痕を刻め。

 

尽きることのない欲望を抱け。

 

慣れることのない喪失を誇れ。

 

揺らぐことのない信念を翳せ。

 

褪せることのない憧憬を語れ。

 

変わることのない体温を愛せ。

 

消えることのない生命を飾れ。

 

終わることのない復讐を誓え。

 

 

 

 

 

世界へ、放て。

 

世界を、穿て。

 

 

 

玉座

せいぜいそこで知った振りをしていればいい。

 

せいぜいそこで知らぬ振りをしていればいい。

 

 

 

殴り合ってでも、証明してみせよう。

 

潰し合ってでも、証明してみせよう。

 

奪い合ってでも、証明してみせよう。

 

殺し合ってでも、証明してみせよう。

 

 

 

 

 

全身全霊を懸けて、証明してみせよう。

 

 

 

 

 

全身全霊を懸けて、否定してみせよう。

 

その人生を。

 

全身全霊を懸けて、肯定してみせよう。

 

この人生を。

 

 

 

 

 

その玉座を、破壊してみせよう。

 

 

 

連鎖

季節が一つ過ぎたとて。

 

また、次の景色が広がっていく。

 

慟哭が一つ消えたとて。

 

また、次の旋律が始まっていく。

 

宵闇を一つ越えたとて。

 

また、次の太陽が死んでいく。

 

現実に一つ触れたとて。

 

また、次の真実が生まれていく。

 

 

 

 

 

希望を一つ捨てたとて。

 

また、次の絶望が訪れる。

 

 

 

 

 

始まりは、終わっていく。

 

終わりは、始まっている。