木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

こだま

忘れたくないこと。

失いたくないこと。

覚えておきたいこと。

残しておきたいこと。

 

心の切れ端を少しずつ綴っていこうと思う。

備忘録として、遺書として、又はラブレターとして。

 

 

 

 

 

そう書き殴ってブログを始めてから、早いもので10日が過ぎた。

 

僕が感じたことや思ったことを気の向くままに綴っているだけの、酷く自己満足なブログである。

最初からそのつもりで始めたので、誰にも読まれなかったとしてもそれはそれで構わないと思っている。

しかし、有り難いことにそんなブログでも読んで下さる方がいるらしい。

物を書く者の端くれとして、自分の書いた物を読んで貰えるのは、やはりどうしようもなく嬉しいものだ。

 

今までの記事を読んで下さった方、今この記事を読んで下さっているあなた。

本当にありがとうございます。

 

今日という日を一つの節目として。

読んで下さる方へのけじめとして。

 

今日は少しだけ、自分のことを話そうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

こだま、と名乗っている。

お察しの通り、偽名だ。

 

関西の、都会でも無く田舎でも無い、小さな街に住んでいる。

 

少し前までは、バンド活動をしていた。

所謂、売れないバンドマンという奴だ。

ある日、音楽の魔法に魅せられて以来、狂ったように音楽を聴き漁った。

そして、その初期衝動に促されるまま、音楽の世界に飛び込んだ。

 

初めて本気で好きになったものが、音楽だった。

初めて本気で目指したいと思った夢が、音楽だった。

 

白と黒しか無かった世界に、色が付いた。

死ぬ為だけに生きていた僕に、生きる理由が出来た。

 

 

 

練習する。

成長する。

バンドを組む。

ライブに出る。

曲を作る。

歌詞を書く。

展開や構成を練る。

楽器のフレーズを作り込む。

レコーディングをする。

CDを作る。

イベントを企画する。

ツアーに行く。

打ち上げに出る。

ボロボロになるまで酒を飲む。

夜が明けるまで語り合う。

友達が出来る。

知らない街を好きになる。

知らない人を好きになる。

 

何もかもが新鮮で、何もかもが刺激的だった。

何もかもが最悪で、何もかもが最高だった。

金は無かったが、心はずっと満たされていた。

ずっと鳴かず飛ばずだったけれど、それでも僕は幸せだった。

 

文字通り音楽に全てを捧げる生活が僕の誇りだった。

 

全てが、僕の宝物だった。

 

 

 

 

 

何も分からないなりに、精一杯頑張ってきたつもりだった。

だけど僕は、何処かで頑張り方を間違えてしまったらしい。

 

やりたいことがあるのに、やりたいことが出来ない状況になっていた。

やり残したことがあるのに、それをやり切ることが出来ない状況になっていた。

 

気が付いたら、追い詰められていた。

選択の余地など何処にも無い、残酷な決断を迫られた。

 

自分の招いた結末だ、と僕は夢を一つ諦めた。

 

現実に押し潰されて、夢を手放してしまった。

 

僕は、挫折した。

 

 

 

 

 

 

僕は、たった一つの夢を守れなかった、ただの負け犬だ。

普通にも特別にもなれなかった、ただの社会不適合者だ。

死ぬ勇気も生きる覚悟も持てないまま生きている、ただの半端者だ。

挫折と絶望の淵で見つけた新たな夢を育てている、ただの夢追い人だ。

 

命を捨てるには、大切なものが増え過ぎた。

命を燃やすには、大切なものを失くし過ぎた。

 

愛しい思い出も、哀しい思い出も、いつかは色褪せて消えていく。

 

全ては少しずつ変わっていく。

全ては少しずつ終わっていく。

 

それはきっと、抗いようの無い事実だ。

 

それでも、過去の僕を今の僕に導いてくれた思い出たちを、無かったものになんてしたくないのだ。

 

 

 

だから、遺すのだ。

忘れないように、忘れないうちに。

 

此処に備忘録として記した言葉が、僕の遺言になるように。

此処に備忘録として遺した心の切れ端が、あなたへのラブレターになるように。

 

一生消えないくらいの傷をあなたに残す為に、生きたい人を殺せるような言葉を紡いでいくつもりだ。

一生消えない傷を背負ったあなたを癒す為に、死にたい人を救えるような言葉を紡いでいくつもりだ。

 

あの日からずっと木霊している耳鳴りが消えるその時まで、五線譜を涙で飾り付けよう。

あの日からずっと木霊している耳鳴りが消えるその時まで、五線譜にあなたを刻み付けよう。

 

 

 

 

 

元バンドマン。

 

現負け犬。

 

名は、こだま。

 

以後、お見知り置きを。