木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

クラシック

限られた時間を、どう生きるか。 許された空間で、どう生きるか。 暴かれた自分を、どう生きるか。 造られた世界で、どう生きるか。 育てられた体を、どう生かすか。 与えられた心を、どう生かすか。 数えられた涙を、どう生かすか。 忘れられた轍を、どう生…

やさしくなりたい

必死になるってこういうことだったかな。 夢中になるってこういうことだったかな。 約束をするってこういうことだったかな。 明日を待つってこういうことだったかな。 大人になるってどういうことだったかな。 幸せになるってどういうことだったかな。 共に…

シュプレヒコール

望まない場所に産み落とされて、 望まない成長を余儀無くされて、 望まない台本に染め上げられて、 望まない結末を無理強いされる。 せめて、友達くらいは救わせて下さい。 せめて、恋人くらいは愛させて下さい。 せめて、理想くらいは描かせて下さい。 せめ…

眩暈

守るものなど、何もない。 頼るものなど、何もない。 望むものなど、何もない。 叶うものなど、何もない。 誓うものなど、何もない。 失うものなど、何もない。 遺すものなど、何もない。 残るものなど、何もない。 もういっそ、泣いてみようか。 もういっそ…

世界を穿て

癒えることのない傷痕を刻め。 尽きることのない欲望を抱け。 慣れることのない喪失を誇れ。 揺らぐことのない信念を翳せ。 褪せることのない憧憬を語れ。 変わることのない体温を愛せ。 消えることのない生命を飾れ。 終わることのない復讐を誓え。 世界へ…

玉座

せいぜいそこで知った振りをしていればいい。 せいぜいそこで知らぬ振りをしていればいい。 殴り合ってでも、証明してみせよう。 潰し合ってでも、証明してみせよう。 奪い合ってでも、証明してみせよう。 殺し合ってでも、証明してみせよう。 全身全霊を懸…

連鎖

季節が一つ過ぎたとて。 また、次の景色が広がっていく。 慟哭が一つ消えたとて。 また、次の旋律が始まっていく。 宵闇を一つ越えたとて。 また、次の太陽が死んでいく。 現実に一つ触れたとて。 また、次の真実が生まれていく。 希望を一つ捨てたとて。 ま…

畜生

求めるのは、もうやめだ。 応えるのは、もうやめだ。 恐れるのは、もうやめだ。 信じるのは、もうやめだ。 戯けるのは、もうやめだ。 怠けるのは、もうやめだ。 逃げるのは、もうやめだ。 誤魔化すのは、もうやめだ。 痛みに慣れることになろうとも。 別れを…

相生

騙したくないのに、 騙すしかないのか。 黙りたくないのに、 黙るしかないのか。 泣きたくないのに、 泣くしかないのか。 笑いたくないのに、 笑うしかないのか。 やりたくなくても、 やるしかないのか。 腐りたくなくても、 腐るしかないのだ。 咲きたくな…

チカラオヨバズ

ナニモマナべズ ナニモオボエズ ナニモカタラズ ナニモコタエズ ナニモカンジズ ナニモシンジズ ナニモネガワズ ナニモモトメズ ナニモミタセズ ナニモヌグエズ ナニモユルセズ ナニモワスレズ ナニモアイセズ ナニモニクメズ ナニモスクエズ ナニモコロセズ…

郷愁

また、笑えるようになってしまいました。 また、信じるようになってしまいました。 また、触れるようになってしまいました。 また、憧れるようになってしまいました。 また、戯けるようになってしまいました。 また、構えるようになってしまいました。 また…

何処へ行く

友達一人も語れずに、何を語れると言うのだ。 友達一人も救えずに、何を救えると言うのだ。 恋人一人も守れずに、何を守れると言うのだ。 恋人一人も許せずに、何を許せると言うのだ。 他人一人も覚えずに、何を覚えると言うのだ。 他人一人も殴れずに、何を…

金曜日

夢に破れて飲んだ涙を、酒に浸して静かに笑う。 時を忘れて生きた証を、棚に並べて綺麗に飾る。 嘘に疲れて病んだ心を、夜に隠して家路を急ぐ。 傷に塗れて膿んだ命が、膝を抱えて母胎で眠る。

何度摘み取られても、この場所で咲いていたい。 何度薙ぎ倒されても、この場所で戦っていたい。 何度切り刻まれても、この場所で泣いていたい。 何度踏み躙られても、この場所で生きていたい。 命が尽きるその日まで、この場所で生きていたい。 命が尽きるそ…

カウンセル

どう歩けばいいんですか。 どう休めばいいんですか。 どう戦えばいいんですか。 どう癒せばいいんですか。 どう泣けばいいんですか。 どう笑えばいいんですか。 どう嘆けばいいんですか。 どう願えばいいんですか。 どう書き切ればいいんですか。 どう消し去…

漂流

僕に、涙を与えてくれた人。 僕に、涙を教えてくれた人。 僕に、傷を与えてくれた人。 僕に、傷を教えてくれた人。 僕に、夢を与えてくれた人。 僕に、夢を教えてくれた人。 僕に、愛を与えてくれた人。 僕に、愛を教えてくれた人。 僕の、涙を暴いてくれた…

伏線

言葉に裏があるなんて、知りたくなかったよ。 笑顔に陰があるなんて、知りたくなかったよ。 昨日に罪があるなんて、知りたくなかったよ。 明日に罰があるなんて、知りたくなかったよ。 誰かに騙されているなんて、知りたくなかったよ。 誰かに笑われているな…

木漏れ日

いつまでも、あなたと手を繋いで。 いつまでも、あなたと背を比べて。 いつまでも、あなたと夢を見て。 いつまでも、あなたの傍にいて。 そんな風に、汚し合っていたかった。 そんな風に、笑い合っていたかった。 そんな風に、語り合っていたかった。 そんな…

生活

仕方なく夜が来るから、仕方なく眠るように。 仕方なく朝が来るから、仕方なく起きるように。 仕方なく傷を負うから、仕方なく休むように。 仕方なく腹が減るから、仕方なく食べるように。 仕方なく恋をするから、仕方なく憂うように。 仕方なく人を知るから…

前線へ告ぐ

靴紐を結んでいるのは誰の為。 姿勢を正しているのは誰の為。 時計を睨んでいるのは誰の為。 礼儀を学んでいるのは誰の為。 親指を噛んでいるのは誰の為。 笑顔を歪めているのは誰の為。 札束を数えているのは誰の為。 道化を演じているのは誰の為。 文集を…

アクセサリー

誰かの道具になる為に生まれたのではない。 誰かの荷物になる為に生まれたのではない。 誰かに媚びを売る為に生まれたのではない。 誰かの真似をする為に生まれたのではない。 誰かの不幸を笑う為に生まれたのではない。 誰かの幸福を願う為に生まれたのでは…

言ったじゃないか

恋人を作れば分かると言ったじゃないか。 手紙を書けば分かると言ったじゃないか。 友達に聞けば分かると言ったじゃないか。 文集を読めば分かると言ったじゃないか。 場数を踏めば分かると言ったじゃないか。 明日が来れば分かると言ったじゃないか。 大人…

ドライアイス

孤独に濡れた心臓が凍て付いて、掌を擦り続けている。 容易く傷付いてしまうから、孤独なままが良かった。 孤独に慣れた心臓が焼け付いて、拳を握り締めている。 容易く傷付けてしまうから、孤独なままが良かった。 温度を求めた心臓が泣き付いて、腰を振り…

夏が過ぎても、声を聴いても。 雨に濡れても、風に揺れても。 冬が過ぎても、恋に泣いても。 夜が更けても、肌に触れても。 心の隙間が埋まらない。 何を飲んでも、何を吐いても。 何を書いても、何を消しても。 何を作っても、何を壊しても。 何を求めても…

結局、

空気を読めと言われ続けて。 本音を吐けと言われ続けて。 自信を持てと言われ続けて。 敬意を払えと言われ続けて。 旅人であれと言われ続けて。 大人になれと言われ続けて。 命を生かせと言われ続けて。 心を捨てろと言われ続けて。 その全てを受け入れて生…

標本

この声が枯れることのないように、涙という釘を刺す。 この歌が褪せることのないように、情という釘を刺す。 この夢が醒めることのないように、嘘という釘を刺す。 この灰が燃えることのないように、戒という釘を刺す この傷が癒えることのないように、生と…

海月

いずれは落ちる、コインのように。 いずれは朽ちる、落ち葉のように。 表も裏もなく、願っていたい。 嘘も誠もなく、笑っていたい。 いずれは馴染む、忌み名のように。 いずれは溶ける、海の月のように。 光も陰もなく、歌っていたい。 生も死もなく、戦って…

熱病

それは、眼が沸くような。 それは、耳が鳴るような。 それは、喉が灼けるような。 それは、頬が爛れるような。 それは、肉が腐るような。 それは、骨が軋むような。 それは、頭が割れるような。 それは、軀が燃えるような。 揺れる視界の中で、夢を見ている…

胡蝶の夢

また、この夢だ。 思うように思考を纏めることが出来ない。 思うように身体を動かすことが出来ない。 思うように言葉を紡ぐことが出来ない。 思うように表情を作ることが出来ない。 どうして、あと一言を言い出すことが出来ない。 どうして、あと一歩を踏み…

珈琲

珈琲を苦いと思わなくなった時。 少しだけ、大人になれた気がした。 夜空を暗いと思わなくなった時。 少しだけ、孤独に慣れた気がした。 夢想を尊いと思わなくなった時。 少しだけ、現実を知った気がした。 自分を強いと思わなくなった時。 少しだけ、真実に…