木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

文無しの戯言

金がある人と、金が無い人。

本当に豊かなのはどちらだろう。

 

金で買えるものと、金で買えないもの。

本当に大事なものはどちらだろう。

 

確かに金はとても大事だ。

この世は金が全てだ、と言い切ることの出来る人も多くいることだろう。

 

確かに金があれば有利だ。

実際、金で解決出来ることは多いし、幾らあっても困ることはないだろう。

 

 

 

人それぞれの価値観がある。

人それぞれの生き方がある。

誰かの価値観を否定することなんて出来ない。

誰かの生き方を否定することなんて出来ない。

 

でも、金が全てだなんて余りにも悲しい。

僕はそう思ってしまう。

 

理想論だとか綺麗事だとか、言われてしまうかもしれない。

 

だけど。

 

金で買えるものを大事にする生き方が許されるのなら、金で買えないものを大事にする生き方だって許されてもいい筈じゃないか。

 

 

 

ここで少しだけ恥を晒そう。

 

正直に言って、僕は金が無い。

もっと言うなら、地位も名誉も何も無い。

 

僕にあるのは、肥大した自意識と承認欲求、枯れてくれない表現欲だけだ。

 

ただ、それだけだ。

所詮はそれだけの人間なのだ。

 

吐き出せない想いを吐き出しているだけ。

吐き出したい想いを吐き出しているだけ。

吐き出さないと破裂してしまいそうだから。

吐き出さないと壊れてしまいそうだから。

 

有り体に言えば、ただの排泄だ。

 

ただの自己満足でしかない。

だけど、吐き出しただけで少し満たされたような気がしてしまう。

 

その瞬間だけは、幸せなのだ。

その瞬間だけが、幸せなのだ。

 

だから僕は、必ずしも金と幸せがイコールで繋がるものだとは思わない。

 

 

 

自然に囲まれた場所で静かに暮らして。

湖の畔で揺れる水面を眺めて。

風の匂いに溶けた季節を感じて。

木漏れ日に包まれて微睡んで。

小鳥の囀りを目覚ましにして朝を迎えて。

波の音を子守唄にして夜を越えて。

月の光を頼りにして言葉を紡いで。

星を繋ぎ合わせるように音楽を作りたい。

 

今の僕が想う幸せは、これだけだ。

 

 

 

しかし、残念なことに金が無ければ、生きてはいけないのだ。

必要最低限の金が無ければ、必要なことが何も出来なくなるのだ。

 

僕は僕の幸せの為に、金を稼がなければならない。

金では買えないものを手に入れる為に、金を稼がなければならない。

 

 

 

この世は金が全てだと言い切ったあの人を、否定するようなことはしない。

 

この世は金が全てだと言い切ったあの人を、否定出来るような生き方をしたい。

 

 

 

 

 

買えるものなら、買ってみろ。

売れるものなら、売ってみろ。