木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

音楽

ロックの日に因んで、音楽の話を。

 

 

 

音楽なんてものは、人間が生きていく上では多分必要無い。

尤も、これは音楽だけに限ったことでは無い。

芸術と呼ばれるもの全般に同じことが言えるのではないかと思う。

 

酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出して、水を飲んで、日の光を浴びて、食べて、排泄して、動いて、疲れたら眠る。

目が覚めたら、また同じことを繰り返す。

極論を言えば、これだけのことで生きていける。

 

僕自身、幼い頃は音楽に対してそこまで興味を持っていなかった。

音楽の授業でテストがある時には、気恥ずかしさで逃げたくなるくらいだった。

 

 

 

だけど、僕は音楽に救われた。

たった一曲の、たった一節に救われた。

 

親や友人、恋人…信頼している人からのどんな言葉よりも、会ったこともない人の想いが心に深く突き刺さってしまうことがあるのだ。

誰にも覗かれないようにと必死に築き上げた心の壁が、どういうわけか音楽には通用しなかった。

ただ生きるだけなら必要の無いものだと思っていた音楽に、僕は救われてしまった。

音楽のことを、もっと知りたくなった。

 

音楽に魅せられてからというもの、狂ったように色々な音楽を聴き漁った。

音楽を通してたくさんの人と出会い、音楽を通してたくさんのことを学んだ。

音楽に出会ってから、間違いなく僕の人生は豊かになった。

音楽に出会ったことで変わってしまったこともあるけれど、音楽に出会わなかった人生を想像すると戦慄する。

 

ただ生きるだけなら必要の無いものである筈なのに、時代を超えて人の心を支え続け、人の心を彩り続けている。

だからこそ、音楽はいつの時代も人に愛されて、今日の日まで生き続けてきたのだと思う。

 

気が付いたら、音楽は僕の人生の一部になっていた。

気が付いたら、音楽は僕の人生に欠かせないものになっていた。

 

音楽なんて必要無いなんて、もう言えなくなっていた。

 

 

 

今まで色々なことがあったけれど、音楽に救われたこの人生に、今では感謝している。

 

誰が何と言おうと、僕は音楽を愛している。