木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

ドローイング

この筆で描きたいもの。

この紙に遺したいこと。

 

この線で紡ぎたいもの。

この絵で伝えたいこと。

 

 

 

目を凝らせば凝らすほど、何も見えなくなる。

耳を澄ませば澄ますほど、何も聞こえなくなる。

 

声を枯らせば枯らすほど、何も言えなくなる。

心を捧げれば捧げるほど、何も感じなくなる。

 

 

 

向き合えば向き合うほど、何も分からなくなる。

 

 

 

 

 

何度も描いて、何度も消して。

何度も破いて、何度も捨てて。

 

何度も描き直して、何度も座り直して。

何度も言い聞かせて、何度も思い直して。

 

それでも、描いてきた。

 

その筆の軌跡が、あなたが遺してきた真実だ。

 

 

 

 

 

何度も負けて、何度も泣いて。

何度も悔いて、何度も死んで。

 

何度も不貞腐れて、何度もやり直して。

何度も生き損ねて、何度も死に損ねて。

 

それでも、生きてきた。

 

その心の軌跡が、あなたの生きてきた証明だ。

 

 

 

 

 

飾られることがなくとも、恥じることはない。

讃えられることがなくとも、腐ることはない。

 

認められることがなくとも、嘆くことはない。

愛されることがなくとも、媚びることはない。

 

 

 

 

 

あなたは、描いた。

 

あなたは、生きた。

 

 

 

 

 

その絵を、飾ろう。

 

その命を、語ろう。

 

その心を、描こう。

 

あなたは、美しい。

 

 

 

 

 

あなたは、美しい。