木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

白い渦

誰もが己の正義を疑わない。

誰もが己の誤謬を認めない。

 

誰もが己の罪を受け入れない。

誰もが己の罰を受け止めない。

 

 

 

「誰にも嫌われたくない」

「誰かを嫌う勇気もない」

 

いつの間にか、そんなことさえ言えなくなってしまった。

いつの間にか、そんなことさえ言わなくなってしまった。

 

 

 

他人の不幸で飯が美味い。

自分の不幸で飯が不味い。

 

他人の不幸は、蜜の味。

自分の不幸は、毒の味。

 

全くもって、最高の人生だ。

全くもって、最低の人生だ。

 

これが、最善の人生だ。

これは、最悪の人生だ。

 

 

 

蜷局を巻きながら、埋まらない空白を抱き締めている。

蜷局を巻きながら、気に入らない全てを切り裂いていく。

 

肩を震わせながら、埋まらない空白を抱き締めている。

肩を震わせながら、気に入らない全てを呑み込んでいく。

 

何もかもを切り裂いて、生きてきた。

何もかもを呑み込んで、生きてきた。

 

そして、一人になった。

そして、誰もいなくなった。

 

 

 

思い出を脱ぎ捨てて、何度でも季節は移り変わる。

現実を受け入れて、何度でも心は生まれ変わる。

 

何処までもいけるような気がしていたあの日は、もう戻らない。

何処までもいけるような気がしていたあの日には、もう戻れない。

 

 

 

ただただ、切り裂かれていく。

 

夥しい数の汚れなき正義が蠢く、白い渦の中で。

夥しい数の汚れなき誤謬が蠢く、白い渦の中で。

 

夥しい数の汚れなき罪が蠢く、白い渦の中で。

夥しい数の汚れなき罰が蠢く、白い渦の中で。

 

 

 

ただただ、呑み込まれていく。

 

夥しい数の汚れなき正義が蠢く、白い渦の中へ。

夥しい数の汚れなき誤謬が蠢く、白い渦の中へ。

 

夥しい数の汚れなき罪が蠢く、白い渦の中へ。

夥しい数の汚れなき罰が蠢く、白い渦の中へ。

 

 

 

白い渦の中へ、堕ちていく。

白い渦の中で、殺し合いを始めよう。

 

 

 

 

 

その輪を、越えていけ。