木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

アポトーシス

あの恐怖は、身の程を知る為に必要だった。

あの屈辱は、身の丈を知る為に必要だった。

あの劣情は、卑しさを知る為に必要だった。

あの空白は、侘しさを知る為に必要だった。

 

あの挫折は、悔しさを知る為に必要だった。

あの離別は、悲しみを知る為に必要だった。

あの喪失は、虚しさを知る為に必要だった。

あの絶望は、苦しみを知る為に必要だった。

 

あの犠牲は、痛みを知る為に必要だった。

 

全てが、生きる為に必要だった。

全てが、生きていく為に必要だった。

 

無駄なことなんて、何もない。

無駄なものなんて、何もない。

 

忘れてもいいことなんて、何もない。

失くしてもいいものなんて、何もない。

 

 

 

約束は、もう一度笑い合う為に必要だった。

思い出は、もう二度と忘れない為に必要だった。

 

空白は、幸福を知る為に必要だった。

孤独は、優しさを知る為に必要だった。

 

心は、繋がりを知る為に必要だった。

体は、温もりを知る為に必要だった。

 

命は、愛を知る為に必要だった。

死は、生まれ変わる為に必要だった。

 

 

 

全てが、生きる為に必要だった。

全てが、生きていく為に必要だった。

 

 

 

 

 

僕には、あなたが必要だった。