木霊、言霊。

備忘録か、遺言か、ラブレターか。

星に願いを

 

煌々と輝く星を数えている。

煌々と瞬く星を眺めている。

 

才能と細胞を燃やしながら、輝いている。

感性と哲学を振り翳しながら、瞬いている。

 

次々と死んでいく星を数えている。

次々と消えていく星を眺めている。

 

才能と細胞に焦がれたまま、死んでいく。

感性と哲学を抱き締めたまま、消えていく。

 

 

 

いつかは死にゆく宿命を笑うかのように、星は美しく輝いている。

いつかは消えゆく運命を憂うかのように、星は美しく瞬いている。

 

 

 

点として夜空を彩るあの光は、どれだけの時を越えてきたのだろう。

線として夜空を切り裂くあの光は、どれだけの時を越えていくのだろう。

 

星として生まれたあの光の遺言は、誰の心に届くのだろう。

星として死にゆくあの光の断末魔は、誰の心に響くのだろう。

 

僕もあの星のように、誰かの闇を照らす光になれるだろうか。

僕もあの星のように、誰かの道を指し示す標になれるだろうか。

 

どれだけ時間が過ぎても消えない光を、残すことが出来るだろうか。

どれだけ時間が過ぎても褪せない想いを、遺すことが出来るだろうか。

 

 

 

輝く星を数えているだけの人生は、もう嫌だ。

瞬く星を眺めているだけの人生は、もう嫌だ。

 

死んでいく日を待つだけの人生は、もう嫌だ。

消えていく日を待つだけの人生は、もう嫌だ。

 

 

 

大事な人を見送るのは、もう嫌だ。

さよならを告げるのは、もう嫌だ。

 

 

 

儚く散っていくだけの宿命なんて、全て燃え尽きてしまえばいい。

儚く散っていくことが運命ならば、全て焼き尽くしてしまえばいい。

 

 

 

夜を照らす、星になりたい。

夜を駆ける、星になりたい。

夜を生きる、星になりたい。

夜に消える、星になりたい。

 

夜の向こうで、あなたに会いたい。

 

 

 

 

僕は、星になりたい。